2018.6.22のつぶやき

 

 

625日の「現代のチェロ音楽コンサート」では女性の作曲家の作品を2曲取り上げる。現代においては普通にたくさんの女性が作曲活動をしているので、男女を区別するのは無意味に思える。しかし、20世紀以降の作品を演奏している私の「現代のチェロ音楽コンサート」で、小品も入れて今回のも含むと96曲取り上げているのに女性の作品は7曲しかない。20世紀になってもまだまだ女性の作曲家は少なかった。

 

記録として残っているなかで一番古い女性は12世紀のヒルデガルト・フォン・ビンゲンになる。ビンゲンは宗教的な観点からも、とても重要な人物ではある。それ以外にもドイツ薬草学の祖と言われ、彼女が考えた健康的な料理は医学的にも現在大変注目を浴びている。ビンゲンは女子修道院長であり、そこで歌われる素晴らしい聖歌を作曲したことで作品も残った。

 

 モーツァルトの姉、マリア・アンナ(1751~1829)は幼少の頃から才能を認められていたが成人になるにつれて活躍の場が少なくなった。作曲家や演奏家として成人の女性が社会に出るのが許される時代では無かった。

 

女性の音楽家として表舞台に初めて現れたのはメンデルスゾーンの姉ファニー(1805~1847)だろう。しかし彼女も女性が職業を持つことが難しい時代であり、父から自分の才能を世に出そうと思わないようにと告げられている。弟もまた姉の名前で作品が出版されるのを反対している。それでも彼女は作曲家のグノーや良き理解者であった夫のおかげで作品を書き続けることが出来た。またピアニストとしても26歳で弟のピアノ協奏曲第1番でデビューをしている。

 

ロベルト・シューマンの妻クララ・シューマン(1819~1896))は当時最高のピアニストとして認められてはいたが、彼女が作曲した作品が世に出ることに対してシューマンはあまりよく思っていなかったのではないかとも伝えられている。

 

作曲家の妻で作曲している人にはアルマ・マーラー(1879~1964)もいるが、個人的に良いと思っている人にコダーイの妻、エンマ(1863~1958)がいる。彼女の作品にチェロの作品は見つからないが、歌曲やピアノの作品はとても魅力的だ。

今回のコンサートで取り上げる中村洋子さんの無伴奏チェロ組曲は、同じく日本を表現している黛敏郎作曲「無伴奏チェロのための文楽」の緊張感溢れる音楽とは違い、日本の美しい自然が流れる。第2楽章の「山笑う(春の始動)」では春が戸を叩き、終楽章の「青田波」では青々とした田園の中に風がスーッと抜けていく。

 

今後は女性の素敵な作品がどんどん増えていくことだろう。

 

 

 

2018.5.16のつぶやき

 

  先週札幌で5カラット、5億円はするだろうというダイヤモンドが公開されたニュースを見た。ガラスのケースに保管され、警備員がしっかりとガード。そのニュースを見ながら数億円の弦楽器を自分で持ち、ガードマン無しで歩き回る演奏家は凄いと変なところで感心していた。

 

 変といえば音楽家が時折使う「普通に演奏しましょう」という言葉。

何故かこの言葉がでると辺り触らず、一人目立たず周りに迷惑をかけない演奏になる気がする。何故、人それぞれ自由に思いのままの演奏にならないのだろう。普通って難しい。

 五線紙から何かを読み取りどう表現するかは演奏家が一生勉強し続けなければならない課題だ。じっと見ているだけで新しいイメージが湧く時もある。楽譜に書かれているから演奏するのではなく、何故こう書かれているかを考えることで様々な答えが浮かぶ。それを人に伝えると、普通じゃないと言われる時もある。

 

アクセント記号一つにとってもアタックをつける、その音を歌うという印、ため息のようなものなど、その他多くのイメージが湧く。もちろん古い作品であれば作曲家は当時どのような状態だったのか、作曲当時の楽器は現在とどのよう違ったのかなど、いろいろ調べてはみる。しかし最終的にはいまの自分はどう演奏したいのかが一番重要になるのだろう。そして、それを独りよがりではなく聴いてくださる方々に伝えるのが演奏家の仕事になる。

 

それが普通ではないと言われても、自分にとっては当然で普通の事だと思って演奏したい。ダイヤモンドのニュースを見ながら、

こんなことを考えている自分は変なのかなぁ、こんな暇があるなら練習すりゃ良いのに。こわいわけでもないのになんでぼーっとしているのだろう。と、今日も北海道民にしか分からない言葉でブツブツつぶやいている。    

 

2018.5.9のつぶやき

 

来月625日「現代のチェロ音楽コンサート」

最初の曲は中村洋子さんが作曲した無伴奏チェロ組曲。

組曲は2007年から年1回づつ作曲、

2012年に全6曲が完成されたようだ。

全ての曲の楽章に日本らしい題がついている。

 

今回演奏するのは第1番。

  1.雪国の祝いの歌  2. 山笑う(春の鼓動) 3.惜春 

  4.山の神への祈り     5.田植え歌~五月雨~田植え歌 

  6. 青田波

 

北海道民の私は初めの「雪国の祝いの歌」から、

本州の暖かく清々しい風を感じてしまう。

もしかすると、この雪国は既に春が近いのかもしれない。

本州の農村を彷彿させられるこの無伴奏組曲は、

黛敏郎作曲「無伴奏チェロのための文楽」とは全く違う 

日本の音楽が流れ、冬から夏にかけての

美しい日本の自然が浮かび上がる。

 

たまに江差追分をチェロで演奏する私だけれど、

この組曲もチェロをやっていて良かった、

と思わせてくれる。

 

毎年チラシは人気があるこのコンサート。

今年はいっぱいの客席にならないかなぁと、

ブツブツ呟いている。

                                                     

「現代のチェロ音楽コンサート」

62519 

ザ・ルーテルホール札幌                                                

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